人々の健康のためには空気と水、食が基本となります。また、生活の場となる地域で互いに助け合える地域コミュニティも生活の豊かさ作りには欠かせません。日本にはまだ多くの森林、里山、田畑が残されており、都市から1~2時間も電車や自動車に乗るとそうした緑や美味しい水・空気に出会えます。農産物直売所で新鮮で美味しい農産物を安く買うこともできます。直接畑で農家から買うこともできます。このように、農業は、里山・田畑の環境・生態系を守り、生きるために、かつ健康の維持にも大切な食料を生産し、人々に健康で豊かな生活の場を提供する基盤となっており、農業の持続は人々の生活に欠かせないものです。
しかし、今の農業は生産放棄地の増加や後継者不足、農業で食べていけない、農業は魅力的と思われていないなどの問題を抱えています。このままでは近い将来、高齢者の引退とともに農業が衰退し、一部の大規模農業が残るということになりかねません。日本の森林や里山、田畑を維持して、環境・生態系を回復し、地域社会が活性化していく、また農業が成長産業となるためには、各地域で特徴のある農業や農産物加工、伝統製品や新しい分野の事業が発展することが必要です。
農業の大規模化は成長のための方向性の1つですが、中小規模の農業者や個人農家、兼業農家も安全で新鮮な農産物の確保、景観の保全、個人の生活の豊かさ、地域の活性化等の観点からその役割は重要です。農家が消費者に直販する農産物直売所やネット販売は中小規模や個人農家、兼業農家にとっても販路を確保して、品質の良さに応じて価格を設定し、農産物加工などの新商品販売も可能になり、生計を立てるために有効な方法です。農家レストランや農業体験・観光も農業をベースとした事業化の1つの方策です。さらに、農村で環境配慮型の農的生活をしたい都会の生活者も農村地帯で暮らして新しい生活サービスや生活スタイルを生み出し、多様な人々が農村で暮らし、地域社会・コミュニティを活性化していくことが期待されます。
また、都会に暮らす生活者にとっても、新鮮でおいしく、健康に良い安全な農産物を農産物直売所やネット販売などで、農家から直接リーズナブルな価格で入手できれば、その生活はさらに健康的で豊かになります。
サン・フォレストはそうした視点から、中小規模の農業者や個人農家、兼業農家が直販できる農産物直売所やネット販売を応援し、レストラン等の業務用需要などの販路開拓や提携、農産物加工品の新商品企画などのマーケティング、事業運営を支援するコンサルティング・サービスを提供します。
当社代表の森下は、農産物直売所の研究で東京農業大学大学院において農業経済学博士の学位を取得しました。農業者が農産物の生産だけでなく、直接に販売を行い、生計を立てる方法として、農産物直売所がもっとも普及している販売チャネルであることから、その実態を研究して問題点と課題を明確にし、今後の発展の方向と対策を考察しました。
さらに、今後は、農家や農産物直売所の農産物や加工品をネット販売することで農家を応援することにも徐々に取り組んでいきます。これは、都会の生活者と農家を結び、都会の生活者の健康で豊かな生活を応援することでもあり、農家ネットワークと都会の生活者ネットワークのつなぎ手となることを目指します。